約8,000万円で購入したタワマン。2年間経営していくら儲かったのか?S&P500とも比較してみた

2024年9月、大阪市内のタワーマンションの一室を購入しました。購入価格は約8,000万円。自己資金約3,000万円を投入し、5,000万円の融資を受けて取得した投資用マンションです。

それから約2年が経過しました。

この間、入居者の退去延期や借入金利の上昇など、さまざまな出来事がありました。一方で、賃料アップにも成功し、2026年10月末には新しい入居者を迎える予定です。

今回は、取得価格から賃料、キャッシュフロー、物件の資産価値まで、具体的な数字を使って振り返ります。

さらに、自己資金3,000万円をS&P500に投資していた場合とも比較してみました。

結論からいうと、賃貸経営自体は黒字ですが、投資効率という点では必ずしも満足できる結果ではありませんでした。

それでも、私は不動産経営を始めて良かったと感じています。

その理由も含めてご紹介します。

1. 取得価格8,000万円。表面利回りは約3.5%

まず、購入した物件の概要です。

項目内容
所在地大阪市北区
専有面積約55㎡
間取り1LDK
取得時期2024年9月
取得価格8,000万円
借入額5,000万円
自己資金約3,000万円
当初借入金利0.9%
当初月額賃料等23.5万円
当初表面利回り約3.5%

表面利回りは3%台半ば。

不動産投資に詳しい方からすれば、決して魅力的な利回りとはいえないかもしれません。

ただ、私が購入時に重視したのは利回りだけではありません。

大阪・梅田エリアの将来性、物件自体の競争力、将来的な賃料上昇余地、そして売却時の資産価値も含めて判断しました。

株式とは異なり、不動産は物件ごとに条件が異なります。

同じマンションでも、階数や方角、間取り、購入価格によって投資成績は大きく変わります。

だからこそ、購入時点での判断が非常に重要だと考えています。

2. 月23.5万円の賃料でもキャッシュフローは黒字

最初の入居者が入ったのは2024年冬です。

当初の月額賃料等は23.5万円でした。

毎月の主な収支は以下のとおりです。

項目月額
賃料等収入235,000円
ローン返済−138,824円
管理費・修繕積立金−約19,000円
固定資産税・都市計画税(月割り)−約8,300円
その他の経費別途

上記の費用に加え、管理関連費用や入退去時の支出なども発生します。

通常時の年間キャッシュフローは、これらを考慮してもプラスでした。

表面利回りは3%台ですが、毎月のローン返済と通常の維持費を支払った後に現金が残る経営ができていたということです。

なお、借入金利は当初0.9%でしたが、現在は1.8%まで上昇しています。

毎月の返済額は138,824円で変わっていませんが、支払利息が増える分、元本返済の進み方は遅くなります。

金利上昇は、不動産経営における大きなリスクの一つだと実感しています。

3. 退去延期によって約70万円の追加収入

最初の入居者との間では、想定外の出来事もありました。

入居者から退去の連絡を受けたものの、結局、予定どおりには退去されなかったのです。

このため、通常より高い賃料等を受け取る期間がありました。

通常の月額23.5万円と比較すると、追加収入は合計70.5万円になりました。

結果として収益は増えましたが、退去予定が変わることはオーナーにとって必ずしも好ましいことではありません。

次の入居者を募集する時期が読みにくくなり、空室期間が長引く可能性もあるからです。

今回は結果的にプラスに働きましたが、契約条件の整備や管理会社との連携の重要性を感じる出来事でした。

4. 賃料を23.5万円から26万円に引き上げ

今回、特に成果を感じたのが賃料改定です。

従前の月額賃料等は23.5万円でしたが、次の入居者募集では25.9万円に設定しました。

ただし、当初はまだ前入居者が住んでいる状態での募集でした。

問い合わせは多少あったものの、反響は限定的でした。

そこで、募集条件を25.5万円に変更しました。

前入居者が退去した後も、25.5万円の条件で募集を継続。

すると、空室になってから1か月弱で新しい入居者が決まりました。

最終的な月額賃料等は、ペット飼育に伴う増額を含めて26万円となりました。

従前の23.5万円から2.5万円、率にして約10.6%の増額です。

年間では30万円の増収になります。

表面利回りも、取得価格を基準にすると約3.5%から約3.9%に改善しました。

賃料を高く設定すれば収益は増えますが、入居者が決まらなければ意味がありません。

今回は市場の反応を見ながら募集条件を調整し、最終的に従前より高い賃料で契約できました。

こうした判断に関われることは、不動産経営の面白い部分だと感じています。

5. 礼金やクリーニング代も収益に貢献

賃貸経営では、毎月の賃料以外にも収入があります。

今回の物件では、初回入居者から礼金2か月分、2回目の入居者から礼金3か月分を受け取っています。

また、どちらの入居者からも、返金不要のクリーニング代として7万円を受け取っています。

一方、入居者募集には費用がかかります。

私の場合、仲介会社への広告料が賃料0.5か月~1か月分、管理会社への入居者募集に関する手数料が賃料1か月分です。

初回入居時の基準賃料は19.9万円、今回が23万円。

礼金などの一時収入は収益に貢献しますが、毎年必ず発生するものではありません。

むしろ、入居者が長期間住み続けてくれれば、空室損失や募集費用、原状回復費用を抑えられます。

そのため、今後は安定した長期入居にも期待しています。

6. 約2年間の経営で結局いくら儲かったのか

ここが今回の記事で最も気になるところだと思います。

2024年9月の取得から2026年9月の前入居者退去までに受け取った賃料等収入は、約600万円です。

ここからローン返済、管理費・修繕積立金、固定資産税などを差し引きます。

さらに、退去時の原状回復費用、清掃費、管理関連費用など、その他の経費として合計約20万円を計上します。

2回の入居に伴う礼金、クリーニング代、募集費用も加味すると、把握できている範囲での累積キャッシュフローは約240万円のプラスとなります。

また、当初5,000万円だったローン残高は、2026年10月時点で4,789万円まで減少しています。

つまり、元本返済が211万円進んでいます。

一方、現在の物件価格については、7,880万円程度で売却できるのではないかと考えています。

購入価格7,980万円から100万円の下落です。

これらを整理すると、次のようになります。

項目金額
累積キャッシュフロー(概算)+約240万円
ローン元本返済による資産増加+211万円
推定物件価格の変動−100万円
投資成果の暫定合計+約350万円

この約350万円には、先ほどの原状回復費用・清掃費・管理関連費用など、その他の経費約17万円を反映しています。

ただし、購入時の諸経費や売却費用、税金などをすべて差し引いた確定利益ではありません。

購入時には不動産取得税だけでも約30万円かかっています。

さらに、購入時の仲介手数料も投資成果を大きく左右します。

例えば、購入価格7,980万円に対して仲介手数料が1%であれば約80万円、3%なら約240万円です。実際には消費税やその他の費用も発生します。

購入時の諸経費の詳細は控えますが、安い仲介会社を利用できれば、投資全体としてプラスを確保しやすくなります。

一方、3%程度の仲介手数料を支払って購入し、さらに売却時の費用まで考慮すると、利益はわずか、あるいはマイナスになる可能性があります。

今回の投資は、賃貸経営としては黒字。ただし、売却まで含めた投資全体の成績は、決して大成功とはいえない。

これが現時点での私の評価です。

7. 3,000万円をS&P500に投資していたら?

今回の物件には、約3,000万円の自己資金を投入しています。

そこで、もしこの3,000万円を不動産ではなく、S&P500に連動する株式インデックスに投資していたらどうなっていたのか、比較してみました。

2024年9月末から2026年10月20日までのS&P500の株価指数は、米ドル建てで約33.8%上昇しています。

さらに、この期間は円安も進みました。

円建てでは、配当を除く指数上昇率が約47.4%。配当再投資を含めると、おおむね50%前後のリターンと推計できます。

仮に3,000万円を一括投資していた場合、現在の評価額は約4,500万円。

利益は約1,500万円という計算です。

一方、今回の不動産経営の暫定投資成果は、購入時の諸経費を差し引く前で約350万円です。

両者には1,000万円以上の差があります。

もちろん、これは結果論です。

S&P500が必ず上昇するわけではありませんし、為替相場が逆方向に動いていれば、円建ての投資成果も違ったものになっていたでしょう。

また、不動産と株式では、価格変動や借入、流動性などのリスクも異なります。

それでも、今回の約2年間に限っていえば、3,000万円をS&P500に投資していた方が、はるかに大きなリターンを得られていた可能性が高いといえます。

投資効率という観点では、今回の不動産購入が最善だったとは思っていません。

8. それでも不動産経営を始めて良かった

ここまで数字を並べると、不動産を買わずにS&P500へ投資しておけば良かったのではないかと思われるかもしれません。

確かに、純粋に資産を増やすことだけを考えれば、その方が合理的だった可能性があります。

しかし、私は不動産経営を始めたことを後悔していません。

理由の一つは、自分自身の判断でお金や人を動かし、経営しているという感覚が得られるからです。

株式投資では、基本的に企業の経営を他人に任せ、その成果を享受します。

一方、不動産経営では、購入物件の選定、金融機関との融資交渉、賃料設定、入居者募集、管理会社との調整、退去時の精算など、さまざまな意思決定に関わることができます。

今回も、入居者の退去延期への対応や、募集賃料の見直しなど、自分自身で考えて判断する場面がありました。

当然、すべてが思いどおりになるわけではありません。

管理会社や仲介会社など、多くの方の協力も必要です。

それでも、自分の判断が収益に影響するという感覚は、株式投資とは違った面白さがあります。

金融機関からの信用を積み重ねることにも期待

もう一つ、不動産経営を続ける理由があります。

それは、経営実績を積み重ねることで、金融機関からの信用や評価が高まることへの期待です。

不動産経営を拡大していくためには、自己資金だけでなく、金融機関からの融資が重要になります。

その際、保有物件で安定した賃料収入を得ていることや、借入金を計画どおり返済していることは、経営実績として示せる材料になります。

もちろん、物件を所有していれば必ず融資を受けやすくなるわけではありません。

金融機関は物件の収益性や担保価値、借入状況、本人の返済能力などを総合的に判断します。

それでも、実際に不動産を取得し、入居者を確保し、収支を管理してきた経験には意味があると考えています。

今回の物件単体での利益だけでなく、将来の不動産経営につながる実績をつくることも、私にとっての投資目的の一つです。

不動産経営の第一歩として

不動産投資の経験が豊富な方からすれば、今回の投資成績はあまり好ましくない結果に映るかもしれません。

約8,000万円の物件に3,000万円の自己資金を投入し、表面利回りは3%台。

もっと効率的な投資方法はあったでしょうし、購入時の判断について改善できる点もあったと思います。

しかし、私にとって今回の物件は、不動産経営の第一歩です。

実際に物件を所有し、賃料収入を得て、入居者とのやり取りや想定外のトラブルを経験する。

こうした経験は、机上の知識だけでは得られなかったものです。

そして何より、不動産経営そのものを面白いと感じられたことが、私にとって大きな収穫でした。

まとめ:投資効率は反省点もあるが、経営経験には価値があった

約2年間の経営を振り返ると、賃貸経営では一定の利益を確保できました。

一方、自己資金3,000万円の投資効率という観点では、S&P500などに投資した方が大きな利益を得られていた可能性があります。

その意味では、今回の投資を大成功だったと評価するつもりはありません。

それでも、自分で経営判断を行い、収益を改善し、想定外の出来事に対応する経験ができたことには価値を感じています。

また、こうした経験と実績を積み重ねることで、将来的に金融機関からの信用を高め、次の不動産投資にもつなげていきたいと考えています。

今後は、今回の経験を生かして、より投資効率の高い不動産経営にも挑戦していきたいと思います。

投資として最良の選択だったかは分かりませんが、不動産経営を始めたこと自体は、私にとって良い選択だったと思っています。

私の不動産経営は、まだ始まったばかりです。

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