広報担当者の情報収集術|ニュースは人との会話から生まれる

「広報って、新聞を読んでいればいいんですよね?」

広報担当になったばかりの人から、こんな質問を受けることがあります。

「毎日新聞を読んでいれば、ニュースは見つかりますか?」

もちろん、新聞を読むことは大切です。

私も広報担当になってから14年間、毎日新聞を読み続けてきました。

でも、振り返ってみると、記事になったニュースの多くは新聞の中から生まれたわけではありません。

人との会話の中から生まれたものがほとんどでした。

社内で担当者と話す。

記者と雑談する。

世の中の動きを共有する。

そうした何気ない会話の積み重ねが、ニュースの種になっていきます。

だから私は、広報という仕事は情報を集める仕事ではなく、

人との信頼関係を築く仕事

だと思っています。

毎朝やっていたこと

「広報担当者は朝、何をしているんですか?」

そんな質問もよく受けます。

私のルーティンは、とてもシンプルでした。

まず、通勤中に当社の掲載記事を確認します。

前日に掲載された記事があれば、その内容をチェックします。

会社に着いたら、新聞を読みます。

見出しを一通り見て、

自社に関係しそうな記事や、気になるニュースは本文まで読みます。

そしてメールを確認します。

ただし、進行中のプロジェクトがあるときは例外です。

その場合は、新聞より先にメールを開きます。

記者とのやり取りや社内調整など、優先順位の高い仕事から対応します。

特別なことをしているわけではありません。

でも、この毎日の積み重ねが、

「今、世の中では何が話題なのか」

という感覚を自然と身につけてくれました。

ニュースは部署ではなく「人」のところにある

「どの部署と仲良くすると、ニュースが見つかりますか?」

これもよく聞かれます。

経営企画でしょうか。

技術でしょうか。

人事でしょうか。

営業でしょうか。

私の答えは、

「部署ではありません。」

です。

ニュースが集まるのは、

仕事ができる人のところです。

仕事ができる人は、新しいことに挑戦しています。

新しい制度を考え、

新しい商品を作り、

新しい取り組みを始めています。

だから自然と、ニュースの種も集まります。

さらに、その部署で何が動いているのかも把握していることが多く、「今こんなことを進めているよ」と教えてくれることもあります。

だから私は、

部署と付き合うのではなく、

キーマンと信頼関係を築くこと

を意識してきました。

💡 広報歴14年のワンポイント

社内で「この人に聞けば、今何が動いているか分かる」という人はいませんか。

その人との関係づくりは、広報担当者にとって大きな財産になります。

「何かありませんか?」でもいい

情報収集というと、

特別なテクニックがあると思われることがあります。

でも、私はそこまで難しく考えていません。

担当者のところへ行って、

「最近、何かありませんか?」

と聞くこともあります。

もちろん、それだけでは終わりません。

最近話題になっているニュースや、自社で発信した広報トピックスを話しながら、

「これに関連して何か動いていることはありませんか?」

と会話を広げていきます。

すると、

「そういえば今こんなプロジェクトをやっていて……」

という話になることがあります。

情報は、質問だけで出てくるとは限りません。

会話のキャッチボールの中で、少しずつ見えてくるものです。

だから私は、雑談も広報の大切な仕事だと思っています。

記者との雑談も、大切な仕事

「記者とは、どんな話をするんですか?」

広報担当者ではない人からすると、少し気になるところかもしれません。

実は、仕事の話だけをしているわけではありません。

趣味や休日の過ごし方など、何気ない雑談をすることもあります。

最近興味を持っているテーマや、今どんな記事を書いているのかを聞くこともあります。

一見すると仕事とは関係のない会話ですが、こうした雑談が信頼関係につながります。

そして、その信頼関係があるからこそ、

「実は今、こんなテーマを探しているんだけど。」

「こういう情報ってありませんか。」

と相談を受けることがあります。

広報は情報を届ける仕事ですが、

その前に、人と人との信頼があってこそ成り立つ仕事だと思っています。

新聞もSNSも見る。でも、一番大切なのは人

私は新聞も読みます。

Xも見ます。

ニュースサイトも見ます。

世の中で何が話題になっているのかを知ることは、とても大切です。

実際に、Xで話題になっていたことがヒントとなり、社内の取り組みと結び付けてニュースとして発信したこともありました。

ただ、新聞やSNSだけを見ていても、自社のニュースは生まれません。

世の中の話題と、

社内で動いていること。

その二つがつながったとき、初めてニュースになります。

だから情報収集で一番大切なのは、

ツールではなく、

人との会話です。

広報に向いている人、向いていない人

「広報に向いている人って、どんな人ですか。」

そう聞かれたら、私は特別なスキルよりも、人としての姿勢を挙げます。

誠実な人です。

広報は、会社の代表として社外と接する仕事です。

だからこそ、その場しのぎで話を合わせたり、都合の悪いことをごまかしたりしてしまうと、少しずつ信頼を失ってしまいます。

一度失った信頼を取り戻すのは簡単ではありません。

逆に、誠実に対応し続けていれば、

「この人の話なら信頼できる。」

そう思ってもらえるようになります。

では、向いていない人はどんな人でしょうか。

私は、

その場しのぎの嘘をつく人

だと思っています。

広報は、短期的な成果を追う仕事ではありません。

記者との関係も、社内との関係も、一朝一夕で築けるものではありません。

だからこそ、日々の誠実な積み重ねが、将来の大きなニュースにつながるのです。

💡 広報歴14年のワンポイント

記者も社内の担当者も、「この人なら安心して話せる」と思える相手には、本音を話してくれます。

信頼は、一度の対応では生まれません。

日々の誠実な積み重ねが、将来の大きなニュースにつながります。

まとめ|広報とは会社の窓口である

広報という仕事は、

新聞を読むことでも、

プレスリリースを書くことでもありません。

もちろん、それらも大切な仕事です。

でも、その前に必要なのは、

社内の人と話し、

記者と話し、

世の中の動きを知り、

信頼関係を築くことです。

広報は、自分が目立つ仕事ではありません。

会社の魅力や取り組みを社会へ届けるために、裏方として支える仕事です。

だから私は、新人に一つだけ伝えるなら、こう言います。

広報とは、会社の窓口であるが、会社の主役ではない。

会社の主役は、新しい商品やサービスを生み出す人であり、現場で挑戦を続ける人たちです。

広報の役割は、その価値を見つけ、磨き、社会へ届けること。

そのために必要なのは、特別な話術でも、高度なテクニックでもありません。

人と向き合い、誠実に信頼を積み重ねること。

14年間広報の仕事を続けてきた今、これが私にとって変わらない答えです。

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